退職代行に依頼したあと、会社のLINEやSlackなど業務用チャットをブロックしてよいのかを整理します。ブロックが許される範囲、消してはいけない記録、業務アカウントを退会する前に確認すべきことを具体的に解説します。
ブロック自体は問題にならない
退職代行に依頼したあと、上司や同僚からの個人的な連絡を受け取らない選択をすること自体に、法的な問題はありません。連絡窓口を代行に一本化するのは、依頼の目的そのものです。着信拒否やブロックは、その状態を確実にするための手段だと考えてよいでしょう。
むしろ、個別に連絡を受けてしまうと、その場で引き止められたり、代行と食い違う話をしてしまったりして、手続きが複雑になります。本人への直接連絡を止めてもらう方法は退職代行後に本人へ連絡が来る場合で詳しく整理しています。
ブロックする前にやっておくべきこと
問題になるのはブロックそのものではなく、記録を失うことです。次の情報は、ブロックや退会をする前に必ず控えておいてください。
- 会社の正式名称・所在地・代表電話番号
- 直属の上司や人事担当者の氏名と役職
- シフト表や勤務時間がわかるやり取り
- 残業指示、休日出勤の指示など労働時間の証拠
- パワハラ・強い引き止めなど問題のある発言
特に未払い残業代の請求やハラスメントの主張をするつもりがあるなら、チャットのやり取りは重要な証拠になります。スクリーンショットを撮り、日付がわかる形で保存しておいてください。ハラスメントがある場合の進め方はパワハラで辞める場合の退職代行で解説しています。
「削除」と「ブロック」は違う
ブロックは相手からの連絡を止めるだけですが、トークの削除やアカウントの退会は記録そのものを失います。まずは通知を切る、非表示にするといった段階的な対応から始め、記録の保全が済んでから強い措置を取るのが安全です。
業務用アカウントは自分の判断で消さない
SlackやTeams、Chatworkなど会社が用意したアカウントは、会社の資産にあたります。自分で退会したり、業務データを削除したりすると、返却義務や情報の引き渡しをめぐって別の問題が生じかねません。
正しい進め方は、代行を通じて「アカウントの停止と貸与物の返却方法を指示してほしい」と伝えることです。会社側で無効化してもらえば、こちらが操作する必要はありません。貸与品や私物のやり取りは私物の返却と貸与品の扱いにまとめています。
私用スマホで業務連絡をしていた場合
個人のLINEアカウントで業務のやり取りをしていたケースは多く、この場合は扱いが少し複雑です。アカウント自体は自分のものなので削除の判断は自由ですが、業務上のデータが混在していることになります。
実務的には、次の手順が現実的です。
- 必要な記録をスクリーンショットで保全する
- 業務グループから退出せず、通知だけオフにする
- 個人からの連絡はブロックし、窓口を代行に一本化する
- 退職手続きが完了してからグループを退出する
手続きの途中でグループを抜けると、会社側が連絡手段を失ったと判断して、実家や緊急連絡先へ連絡することがあります。それを避けたい場合は、退職日が確定するまで待つほうが無難です。家族への連絡が心配な場合は退職代行が親にバレるケースもあわせて確認してください。
連絡を絶ったあとに届く書類の扱い
チャットを遮断しても、離職票や源泉徴収票などの書類は郵送で受け取る必要があります。送付先の住所と、いつごろ届くのかを代行経由で確認しておいてください。書類が届かないまま連絡手段を全て絶ってしまうと、失業給付や確定申告の手続きで困ることになります。
受け取るべき書類の一覧と時期は離職票の受け取り方と源泉徴収票の扱いで確認できます。
会社から執拗に連絡が来る場合
ブロックしても、別の番号や同僚のアカウントを使って連絡が続くことがあります。その場合は、内容を記録したうえで代行の担当者に共有してください。交渉が必要な段階に入っているなら、労働組合や弁護士が運営するサービスのほうが対応の幅が広くなります。運営主体による違いは退職代行の種類の違いで比較しています。サービス選びは退職代行おすすめ比較ランキングを参考にしてください。
よくある質問
上司をブロックしたら、辞められなくなりますか?
なりません。退職の意思は代行を通じて伝えられており、本人が直接応答しないことで退職が無効になることはありません。
業務用のSlackから自分で退出してもよいですか?
自分で操作せず、会社側に無効化してもらうのが安全です。データの引き渡しや返却義務をめぐるトラブルを避けられます。
トーク履歴は消してしまってよいですか?
手続きが完全に終わるまでは残しておいてください。勤務時間や指示内容の証拠になり、書類の請求や未払いの主張で使う場面があります。
会社の携帯を持っています。どうすればよいですか?
会社の貸与品なので、返却方法を代行経由で確認してください。着払いでの郵送を指定されることが多く、発送記録は残しておくと安心です。
まとめ
会社のLINEやチャットをブロックすること自体に問題はありません。注意すべきは順番で、記録の保全を先に済ませ、業務用アカウントは自分で消さず会社に無効化してもらう。書類の送付先だけは確保しておく。この3点を守れば、連絡を絶ったまま安全に手続きを終えられます。

