退職代行を使ったことがカード会社に伝わる仕組みはありません。ただしクレジットカードの申込書には勤務先や勤続年数を書く欄があり、ここは申込日時点の事実で記入する必要があります。この記事では審査で見られている項目、在籍確認の扱い、退職前に準備しておくと楽になることを整理します。
退職代行の利用がカード会社に伝わることはない
クレジットカードの審査で参照されるのは、申込書に書いた内容と、信用情報機関に登録された借入やカードの利用履歴です。どのように退職を伝えたかという情報は、どちらにも記録されません。会社がカード会社に退職の経緯を伝えることもないため、退職代行を使ったという事実そのものが審査の材料になることはないと考えてよいでしょう。
注意が必要なのは、退職代行とは関係のない部分です。退職によって勤務先や収入の状況が変わる点が、審査の判断に関わってきます。
審査で見られているのは勤務先と支払いの履歴
カード会社は審査基準を公表していないため、何点以上で通るといった明確な線引きは外からはわかりません。ただし申込書の項目から、おおまかに何を見ているかは読み取れます。
申込書に書く内容
- 勤務先の名称、勤務先の電話番号、勤続年数
- 雇用形態(正社員・契約社員・アルバイトなど)
- 年収
- 居住状況(持ち家・賃貸、居住年数)
- 他社からの借入状況
勤続年数や居住年数の欄があることから、収入が安定して続く見込みがあるかを重視していると考えられます。退職して無職の期間がある状態での申し込みは、この点で説明が難しくなります。
支払いの履歴
信用情報機関には、クレジットカードやローンの契約内容と返済状況が登録されています。延滞の記録があると審査に影響するとされており、ここは退職の有無とは無関係です。心当たりがある場合は、各信用情報機関が行っている開示請求で自分の登録内容を確認できます。
勤務先欄は申込日時点の状況で書く
退職が決まっている、あるいはすでに退職した状態で申し込む場合、勤務先欄の書き方が問題になります。原則として、申込日の時点で在籍していない会社を勤務先として書くことはできません。事実と異なる内容で申し込むと、後から判明した際に契約を解除される可能性があります。
次の勤務先が決まっている場合は、入社日以降に申し込むのが素直な進め方です。選考が進んでいる段階では、まだ勤務先として書ける状態ではないため、入社を待ってからのほうが説明に迷いません。転職活動中の空白期間の扱いについては退職後の空白期間の説明の仕方も参考になります。
在籍確認はどう行われるか
カード会社が申込内容の確認のために勤務先へ連絡することがあります。連絡の有無や方法は会社によって異なり、書類で確認する場合もあります。退職代行を使って辞めた会社に在籍確認の電話が入ると、記載内容と実態が食い違うことになります。退職後は前職を勤務先として書かないことが、結果的にトラブルを避ける一番の方法です。
退職前にできる準備
カードやローンの審査は、在職中のほうが説明しやすい状態にあります。退職の時期をある程度選べるなら、次の点を先に片付けておくと後が楽になります。
- 必要になりそうなカードは在職中に申し込んでおく
- すでに持っているカードは、退職後も使い続けられるか会員規約を確認する(勤務先の変更届が必要な場合があります)
- 公共料金や通信費の引き落としに使っているカードを把握しておく
- 延滞を作らないよう、退職月の引き落とし残高を確保しておく
住宅ローンや賃貸契約の審査も同じ考え方になります。あわせて退職代行と住宅ローン審査と退職直後の賃貸入居審査も確認しておくと、退職のタイミングを決めるときの判断材料になります。
すでに持っているカードは退職で使えなくなるのか
退職しただけで、保有しているカードが自動的に止まるわけではありません。ただしカード会社は定期的に利用状況や登録情報を見直しており、更新のタイミングで改めて審査が行われることがあります。会員規約で勤務先の変更を届け出るよう定めているカード会社もあるため、手元の規約を確認しておくとよいでしょう。
なお、カードの利用枠や契約の継続はカード会社ごとの判断になります。扱いが気になる場合は、推測で動かずにカード会社の問い合わせ窓口に確認するのが確実です。
よくある質問
退職代行を使うとカード会社に通知が行きますか?
いいえ。退職代行業者がカード会社に情報を渡す仕組みはありませんし、会社が退職の経緯をカード会社に伝えることもありません。審査で参照されるのは申込書の内容と信用情報です。
無職の状態でもカードは作れますか?
審査基準は公表されていないため、作れるかどうかを一律には言えません。配偶者の収入を基準に申し込める家族カードや、預金残高の範囲で使うデビットカードなど、別の選択肢を検討する方法もあります。各社の申込条件を比べてみてください。
転職した場合、カード会社に勤務先の変更を伝える必要はありますか?
多くのカード会社が会員規約で登録情報の変更の届け出を求めています。届け出の方法と範囲はカード会社ごとに違うので、お使いのカードの規約か会員ページで確認してください。
退職代行の費用をクレジットカードで払えますか?
支払い方法は業者によって異なり、カード決済に対応しているところと、銀行振込のみのところがあります。申し込みの前に支払い方法を確認しておくと手続きがスムーズです。料金の目安は安い退職代行の比較で確認できます。
まとめ
退職代行を使ったこと自体がクレジットカードの審査に影響することはありません。実際に関わるのは、申込日の時点で勤務先として書ける会社があるかどうか、そして支払いの履歴に問題がないかという点です。次の勤務先が決まっているなら入社後に申し込む、必要なカードは在職中に用意しておく、という順番で考えると迷いが減ります。
カードの発行やローンの審査は各社が個別に判断するもので、同じ条件でも結果が分かれることがあります。契約の可否や登録情報の取り扱いについては、カード会社の問い合わせ窓口や信用情報機関などの専門窓口に確認してください。
退職の進め方そのものに不安があり、会社とのやり取りに法律的な論点が含まれそうな場合は、弁護士が対応する退職代行に相談しておくと任せやすくなります。

