歯科衛生士が退職代行を使うときの料金相場は、労働組合が運営するサービスで2万円前後、弁護士が運営するサービスで5万円前後が目安です。この記事では、スタッフの少ない歯科医院ならではの辞めにくさをふまえ、費用を抑えながら安全に辞めるための確認ポイントを整理します。
歯科衛生士の退職代行にかかる料金の相場
退職代行の料金は、そのサービスを誰が運営しているかで大きく変わります。歯科衛生士だから高い、安いといった職種別の設定はほとんどなく、雇用形態と運営元の種類でおおよそ決まると考えて差し支えありません。
| 運営元 | 料金の目安 | できることの範囲 |
|---|---|---|
| 労働組合 | 2万円前後 | 退職の意思を伝えるほか、有給消化や退職日について会社と話し合える |
| 民間企業 | 2万円台から | 退職の意思を会社に伝える連絡が中心。条件の交渉はできない |
| 弁護士 | 5万円前後 | 交渉に加え、未払い賃金の請求や損害賠償を求められた場合の対応もできる |
金額だけを見ると民間企業と労働組合はあまり変わりません。それでも労働組合の運営が選ばれやすいのは、有給を使い切ってから退職日を決めたいといった希望を会社に伝えて話し合える点にあります。運営元ごとの違いは退職代行の種類と運営元の違いで詳しく整理しています。
アルバイト・パートは正社員より安く設定されていることが多い
多くのサービスは雇用形態で料金を分けています。判断の基準は「アルバイトかどうか」ではなく「社会保険に加入しているかどうか」に置かれていることがある点に注意してください。たとえば女性専門の退職代行「わたしNEXT」の場合、アルバイト・パートで社会保険に加入していない方が18,800円(税込)、正社員・契約社員・派遣社員などアルバイト・パート以外または社会保険に加入している方が21,800円(税込)と分かれており、いずれも組合費1,000円が別途かかります。
週4日以上シフトに入っていて社会保険に加入している歯科衛生士の場合、雇用契約上はパートでも正社員と同じ区分になることがあります。申し込みの前に自分の保険証を見て、勤務先の健康保険に加入しているかを確認しておくと、想定と違う金額を提示されずに済みます。
安さだけで選ぶと後悔しやすい理由
相場より大きく安いサービスには、たいてい理由があります。よくあるのは、料金に含まれる範囲が狭く、実際に必要になる対応が別料金になっているケースです。
- 退職の連絡は1回のみで、会社から折り返しがあった場合の対応が追加料金になる
- 離職票や源泉徴収票の送付を会社に依頼する連絡が含まれていない
- 有給消化の希望を伝えることができず、退職日を会社の言うとおりに受け入れるしかない
- 連絡手段がメールのみで、返信までに数日かかる
歯科医院は代わりの人員をすぐに用意しにくく、引き止めの連絡が続くことがあります。1回きりの連絡で終わるプランだと、その後のやり取りを自分で引き受けることになりかねません。総額でいくらかかるのかを、依頼前に必ず確かめてください。
費用を抑えるための3つの確認ポイント
1. 追加料金が発生する条件を先に聞いておく
「追加料金なし」と書かれていても、対象となるのは通常の範囲の連絡だけということがあります。会社が退職を認めない場合、貸与品の返却でもめた場合、家族に連絡が入った場合など、想定しうる場面を挙げて、それが料金に含まれるかを申し込み前に質問しておきましょう。無料相談の段階で聞いておけば費用はかかりません。
2. 組合費や事務手数料が別にかかるかを見る
労働組合が運営するサービスでは、代行料金とは別に組合費が必要な場合があります。金額自体は大きくありませんが、表示価格だけで比べていると総額を見誤ります。同じように、振込手数料や書類の郵送費が利用者負担になっているかも確認しておくと安心です。
3. 返金保証は条件まで読む
返金保証を掲げるサービスは多いものの、適用されるのは所定の要件を満たした場合に限られるのが一般的です。どのような状況なら返金されるのか、申請の期限はいつまでかを、利用規約で確認してから申し込んでください。費用を抑えたいときほど、こうした条件面の確認が効いてきます。
職種を問わない一般的な費用の考え方は安い退職代行の選び方にまとめています。あわせて読んでおくと、提示された金額が妥当かどうかを判断しやすくなります。
スタッフの少ない歯科医院で辞めにくいときの進め方
歯科医院は院長と歯科衛生士、歯科助手、受付を合わせて数人という規模が珍しくありません。人数が少ないぶん、退職を切り出しにくく、切り出したあとも気まずさが続きます。退職代行を使う場合は、次の点をあらかじめ整理しておくと話が早く進みます。
- 担当していた患者さんの次回予約が入っている日付
- 自分が管理していた器具や在庫の保管場所
- ロッカーや更衣室に置いたままの私物
- 医院から借りている白衣、名札、ルーペ、シューズなどの貸与品
これらをメモにして代行業者へ伝えておくと、医院側への説明がスムーズになり、あとから個別に連絡を求められる回数を減らせます。私物の引き取りや貸与品の返却は、郵送でのやり取りを希望する旨も一緒に伝えておくとよいでしょう。
免許証の原本を預けている場合は必ず伝える
就職時に歯科衛生士免許証の原本を医院に預けたままになっている場合は、その返却依頼を退職の連絡と一緒に行ってもらいます。次の勤務先で提示を求められる大切な書類ですので、返してもらう方法と時期を明確にしておいてください。
退職代行を頼む前にそろえておきたいもの
依頼の当日にあわてないよう、次の情報を手元に用意しておきましょう。多くのサービスでは、申し込みフォームや相談時にこれらを聞かれます。
- 医院の正式名称、所在地、代表者名、電話番号
- 自分の雇用形態と入職日
- 希望する退職日と、有給が何日残っているか
- 会社から自宅や家族へ連絡してほしくない場合はその旨
有給の残日数がわからないときは、給与明細に記載されていることがあります。見当たらない場合は、残っている前提で交渉できる運営元を選んでおくと安心です。歯科衛生士が退職代行を使うときの流れも、依頼前の準備の参考になります。
よくある質問
院長に直接会わずに辞められますか
退職代行を利用した場合、会社とのやり取りは代行業者が窓口になるため、多くのケースで直接顔を合わせずに手続きが進みます。ただし、会社側が本人と話したいと申し出ることはあり、対応が必要になるかは状況によって異なります。会いたくない意向は、依頼の時点ではっきり伝えておきましょう。
人手が足りない医院を辞めたら損害賠償を請求されませんか
退職そのものを理由に賠償を求められることは一般的ではありませんが、実際に請求を受けるかどうかは個別の事情によって判断が分かれます。請求を示唆された場合は交渉が必要になるため、弁護士が運営するサービスや、労働問題を扱う専門窓口に早めに相談してください。
患者さんの予約が入っていても即日で辞められますか
予約が入っていることが、ただちに退職を妨げる理由にはなりません。ただし出勤しない日をいつからにするかは、有給の残日数や就業規則の定めによって変わります。予約状況を代行業者に伝えたうえで、無理のない退職日を設定してもらうとよいでしょう。
料金の安いサービスでも有給消化を伝えてもらえますか
民間企業が運営するサービスは、退職の意思を伝えることはできても、有給や退職日について会社と話し合うことはできません。有給を使い切ってから辞めたい場合は、労働組合または弁護士が運営するサービスを選ぶ必要があります。
まとめ
歯科衛生士の退職代行は、労働組合の運営で2万円前後、弁護士の運営で5万円前後が目安です。費用を抑えたいときは、表示価格だけでなく、組合費などの別途費用と、追加料金が発生する条件をあわせて確認してください。人数の少ない歯科医院ほど引き止めの連絡が続きやすいため、退職後のやり取りまで料金に含まれているかどうかが、結果的な総額を左右します。
※記載の料金・条件は2026年9月時点で各社公式サイトに掲載されていた内容です。最新の内容は各公式サイトでご確認ください。
費用と対応範囲のバランスを具体的に確かめたい方は、女性専門で労働組合が運営している下記サービスの無料相談で、自分の雇用形態だといくらになるかを聞いてみるとよいでしょう。

